2019.10.17付の中日新聞に掲載されたものです。
Q.最近ものが見にくくなったので、眼科に行ったら、遠視・老眼と診断されました。治るのでしょうか?
A.年齢とともに、近くの文字などが見にくくなる現象を老視(老眼)と呼びます。
これは眼球の中でレンズの役割をしている水晶体が、加齢と共に硬くなり、自動的にピントを合わせる機能が低下するために起こります。
40代半ばから老眼を感じはじめ、50歳前後から老眼鏡を使用する人が多い印象です。硬くなった水晶体を再び柔らかくすることは困難で、サプリメントなどによる老眼改善の大きな効果は期待できません。近くと遠くを交互に見つめて、ピント合わせに関係する毛様体筋の機能を維持するストレッチ運動も、老眼を遅らせることが出来るかもしれませんが限界があります。
軽い近視があると老眼で不便になる年齢が遅れる傾向はあります。適切なメガネを作って生活で不自由が出ないように対応することが、現実的であると考えます。メガネをかけても見にくい場合は、白内障などの眼科疾患が隠れている可能性があるので、眼科での相談をおすすめします。