3/13、盲養護老人ホームの見学会へ行きました。
院長と視能訓練士の2名が参加しました。
当院の近くにある守山区の瀬古マザー園です。
65歳以上で、視覚障害および家庭環境などの
理由により家庭において養護を受けることが困難な
方に生活していただくための施設です。
施設に入って第一印象は「明るく生き生き」でした。私たちをすれ違う際、笑顔で挨拶をしてくださいました。
自分の部屋の位置がわかるように、入口に自分の大切な人形などをつけて位置を把握しています。
「自分で出来ることは自分で進んで行う」
洗濯・掃除・お風呂など、慣れた様子で行っていました。
当たり前のことだと言われていましたが、見にくいというハンディの中、日々の生活を普通に行っている姿は、とても印象に残りました。
施設内の掲示板には点字での表記もありました。
しかし、実際に点字を読むことが出来る方は少ないとのこと。
その理由は中途失明の方が多く、点字の勉強をされていないのが現状みたいです。
その際は、施設のスタッフさんが、直接お伝えしているとのこと。
このスタッフさんの気配りが、生活されている方々のとても大きな支えになっていることがわかりました。
実際に施設で暮らしているご夫婦のお話も伺いました。
お2人で買い物・散歩・旅行などを楽しんでいるとのことでした。
最近ではATMでの現金の引き出しも出来るようになったとのこと。
インターホンを利用して行うというもので、とてもびっくりしました。
しかしその一方で、見えない事も理解してもらえず、助けてもらえない現状もあるとのことでした。
その時、私たちが「辛くないですか?」と質問すると、「確かに不自由だけれども、決して不幸ではないですよ」と答えられました。
その言葉がとても印象に残りました。
眼科に受診される患者さんの中には、見にくい・見にくくなってきたという不安で受診される方がいます。
そんな時ご夫婦のおっしゃった、
「一言でもいいから、優しい言葉をいただけたら本当に幸せです、勇気が出ます」
この言葉も大切に、患者さんの力になれるようこれからも頑張りたいと思いました。
今回、とても良い機会をつくってくださった施設の皆様に感謝します。ありがとうございました。